にのだん社会保険労務士事務所

人と人をつなぐ「たすき」となり

人事労務管理全般をサポートします

にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和4年3月号(No.28)

【令和4年 年金制度の法改正③】

 1月号2月号に続き、今回で年金制度の法改正情報も3回目となります。今月号では2022年から施行される老齢厚生年金の「在職定時改定」についてご案内させていただきます。先月号でもお伝えしたとおり、年金制度は男性では昭和36年4月1日までに生まれた方、そして女性では昭和41年4月1日までに生まれた方については、条件を満たせば65歳前で請求できる年金(いわゆる特別支給の老齢厚生年金)があり、65歳からは10年以上の受給資格期間があれば、本来の年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を請求することができます。なお、65歳からの年金を請求する時に厚生年金に加入している方については最終的には老齢厚生年金の増額に繋っていくのですが、本来ルールでは65歳以降の加入期間は65歳の年金を請求後、毎月毎月年金額が増えるのではなく、在職中は65歳請求直前の被保険者期間で決定した年金額がそのまま維持され、退職した場合や厚生年金被保険者資格を喪失した場合、そして厚生年金被保険者資格加入の上限である70歳に到達した場合、直前の加入期間が反映された老齢厚生年金額に自動的に改定される仕組みとなっていました。つまり、65歳時で老齢厚生年金が120万円で決定した人がその後70歳まで厚生年金被保険者として働き続けた場合、70歳到達月の翌月分から120万円に5年間加入でプラスされた老齢厚生年金額に改定されることになり、加入期間がプラスされた年金額の反映が後払いである印象が強い制度でしたが、2022年からは65歳以上の老齢厚生年金受給権者で厚生年金に加入中の在職者については、8月以前の加入実績に基づいた老齢厚生年金額を毎年1回10月分で改定するルールに変更することが決まりました。65歳以降で本来の老齢年金を受給しながら、厚生年金に加入している人は年1回とはいえ直前の記録が反映された年金額に増額しますので、働きながら年金を増やせるというやりがいや魅力を感じることができるかもしれません。2022年は年金制度の法改正がたくさん行われますが、背景としては労働力人口が減少し、働き手不足が起こると言われている中、問題解消のために60歳を超え、さらには65歳に達しても雇用継続が行われやすい環境整備が目的であると感じます。今月号までご紹介させていただきました年金制度の法改正はいずれにしても、年金を受給される方にとって選択肢が増える制度であり、65歳前から年金を繰上げ請求する場合や厚生年金被保険者として勤務しながら老齢年金を受給する場合、また65歳からの年金を請求せずに繰下げ請求による年金増額を希望する場合など、良く言えば選択の幅が豊富であり、悪く言えば複雑で分かりにくい制度であると困惑される方も当然いるかもしれません。今後のライフプランニング設計の参考として年金事務所や社会保険労務士が対応する街角の年金相談センターで年金の受け取り方法について相談することも方法ではないでしょうか。

【社長からのことば】

 数年前に胸の良性腫瘍を摘出してから毎年2月は年に一度CTの撮影と血液検査を兼ねてとある病院へ診察に行っているのですが、病院の向かい側にあった食品スーパーは昨年閉店となり、今回更地に変わっていました。実はその食品スーパーが大学を卒業後、初めて就職し約8年間お世話になった会社でした。数年前に本社も移転となり、本社があったビルと本店という店舗名称は残されていましたが、今回更地になった場所を通りながら本社本店での思い出がよみがえりました。就職試験と面接を受けたのもそこにあった本社、入社後研修を受けたのも本社、その後配属で本店ではない和歌山や大阪の店舗を勤務し、結婚して間もなく副店長さらに店長と昇格した後、4か月後に本店の店長に異動となりましたが、本社と隣り合わせという店舗であったため、常に社長からチェックされているプレッシャーと本部からの??咤激励の連続に自分自身限界を感じていました。開店直前に荷物の積まれたカゴ車の片づけが出来ていないことで社長から激怒されたり、開店前の売場の陳列を手伝っている時に、当時広告チラシ作成の責任者であった課長から、売場での陳列方法や商品の見せ方などセンスについて全否定されたり、また昼のレジが全台稼働していないことで無茶苦茶叱られたりと本店での店長勤務もわずか2、3か月で終了と同時に降格人事となり、私の店長経験も約半年で終了するかたちとなりました。今振り返ってもあの頃指導されたことを全てこなす自信はありませんが、当時の浅い経験、そして年齢的未熟さでは到底店長をこなす器ではなかったことは間違いありませんでした。期待に応えることが出来ず、あの頃の思い出はどちらかと言うと辛いことのほうが多かったですが、若くして店長職の機会を与えていただいた会社に対しては感謝しなければなりません。なぜならあの頃の忘れられない経験はその後転職した営業職や事務職、そして今の士業にも活かすことが出来たからです。仕事を行う中で常に相手(お客様)が存在し、相手への目配り気配りについて神経をとがらせるために何をすべきかを究極的に学んだのが本店での店長勤務であったと今も感じます。店長降格後は退職まで副店長として数店舗勤務させていただきましたが、スーパーでの勤務最終日前に本店勤務で激怒した社長が突然店舗に訪れて「お前、もうすぐ最後やなあ。これから営業の仕事に変わって給料も下がると思うけど、まあ家族のために頑張れよ」と声を掛けられました。普段、社長が店舗に訪れる時は事前に情報が流れてくるため緊張感漂う慌ただしい雰囲気になりましたが、その時は抜き打ちの視察のように情報が無かったため、社長がどのような目的で店舗に来たのかは分かりませんが、恐怖の思い出しかなかった社長から最後に激励されたことは私にとって今でも忘れられない思い出です。

 従業員が退職する際、事情にもよるかもしれませんが「今までありがとう」と声掛けするだけでも辞めていく従業員にとってその会社やお店に対しての印象は大きく変わるかもしれません。私は幸いにもその後経験したいくつかの転職先で自己都合にも関わらず円満なかたちで退職することができました。今の時代はSNSであることないこと「〇〇会社、〇〇店でひどい扱いを受けた」と批判的な情報が拡散される恐れもあります。従業員が退職する際の最後の気配りによって、それが知らないところで会社やお店に対する対外的な評価につながり、新たな人材募集に対する応募数アップや会社やお店が求める人材の確保に繋がるのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました